コホートの仕組み

コホート分析では高度なカスタマイズが可能で、他のAdjustのデータでは提供されていない様々なフィルターや指標を活用することができます。これら指標の機能と計算方法を理解し、正確な分析を行うために重要になります。

コホート期間

コホートは日、週、月ごとにグループ分けが可能で、同じ規則に従います。Adjustでは、インストールが発生した瞬間を「0」と見なします。インストールがあった最初の週は0W、最初の月は0Mで、その次の週は1W、次の月は1Mとなります。

日次コホート期間は次のように計算されます。

  • D0 = インストールから24時間後
  • D1 = インストールから48時間後
  • D2 = インストールから72時間後

1週間は7日として計算されます。つまり、週次コホート期間は次のように計算されます。

  • W0 = コホート0日目(0D)からコホート6日目(6D)
  • W1 = コホート7日目(7D)からコホート13日目(13D)
  • W2 = コホート14日目(14D)からコホート20日目(20D)

1ヶ月は30日として計算されます。つまり、月次コホート期間は次のように計算されます。

  • M0 = コホート0日目(0D)からコホート29日目(29D)
  • M1 = コホート30日目(D30)からコホート59日目(D59)
  • M2 = コホート60日目(D60)からコホート89日目(D89)

累積と非累積の比較

一部のコホート指標は 累積値​ です。つまり、コホート期間を6Dに設定した場合、指標は0D + 1D + 2D + 3D + 4D + 5Dというように計算されます。

累積値ではない​ コホート指標の場合、指標は選択したコホート期間のデータを表示します。よって、コホート期間を6Dに設定した場合、インストール後7日目のデータのみが表示されます。

ヒント:
累積値ではない指標を使用する際は、設定するコホート期間に注意してください。 例えば、最初の1週間のデータを丸々確認したい場合は、コホート期間を 0Wに設定します。これにより、7日目よりも前のデータが含まれるようになります。

コホートの成熟度(Cohort maturity)

「成熟度(maturity)」という表現を使ってコホートデータを表すことができます。「成熟(mature)」か「未成熟(immature)」かは、コホートのN日目/N週目/Nヶ月目から経過した時間の長さで示され、コホート内の全ユーザーが選択したコホート期間を完了したかどうかによって判断されます。

成熟コホートの例:​ このコホートでは、期間が完全に経過したデータのみを表示します。よって、アプリのリリース後0Wのコホートを見たい場合、全てのユーザーは少なくとも7日間アプリをインストールした状態である必要があります。つまり、今日の日付がアプリのリリース日から14日後の日付よりも前ではいけません。

  • グラフでは、ユーザーCはアプリをD6にインストールしているため、インストール後7日目に含まれるためには、さらに7日間経過していることが必要になります。よって、成熟した0Wのコホートを確認する場合、コホートサイズはインストール後0日目と6日目で同じ数値となります。

未成熟コホートの例:​ このコホートは、選択されたコホート期間のその時点までの累積データを表示します。

  • グラフでは今日が3月6日として、0Wのコホートが表示されています。つまり、カウントされているのは上記グラフのユーザーAとユーザーBのみで、いずれのユーザーも、インストール後完全に7日間を経過していません。以下の表を見ると、インストール後の日数が増えるにつれて、コホートサイズが縮小していることがわかります。
0日目D1D2D3D4D5D6
コホートサイズ2222110

指標への影響

コホートデータを分析する際は、コホートの成熟度を知っておくことが重要です。未成熟なコホートの場合、インストール後の日数が増えるにつれ、コホートサイズは縮小していきます。

これに対応するため、Adjustはコホートグループのさまざまな定義を使用して計算される指標を提供しています。これにより、分析する際にどのユーザーを含めるかを指定することができます。

広告収益​ のコホート指標の例をご覧ください。

  • N日間の広告収益(N days Ad Revenue)

  • N日間の広告収益の合計(N days Ad Revenue Total)

  • N日間のユーザーあたりの広告収益の合計(N days Ad Revenue Total Per User)

  • N日間のコホートにおける広告収益の合計(N days Ad Revenue Total In Cohort)

この例では、アプリのアップデートを最近リリースし、3月の現時点までの広告収益を確認したいとします。今日は3月4日の午後12時で、3月1日からのレポートを作成します。

まずは、インストール後3日目(D2)に発生した広告収益を確認します。各指標は以下のように計算され、そのデータが表示されます。

2Dの広告収益

この指標は累積値ではなく、2日目にのみ発生した広告収益を表示します。

D2
ユーザーA0
ユーザーB$1
ユーザーC0
合計$1

2Dの広告収益の合計

この指標は累積値で、0日目、1日目、2日目に発生した広告収益を足したものを表示します。ユーザーが2日目の24時間を完全に経過していない場合でも、この計算に含まれます。

0日目D1D2
ユーザーA$1$1$1
ユーザーB$1$1$2
ユーザーC0$1$1
合計金額$2$3$4
ユーザーあたりの合計金額2/2 = $13/3 = $14/3 = $1.33

2Dのコホートにおける収益合計

この指標は累積値で、0日目、1日目、2日目に発生した広告収益を足したものを表示します。しかし、計算に含まれるのは2日目の24時間を完全に経過したユーザーのみです。

ユーザーCは2日目を完了していないため、D2のコホートには含まれません。

0日目D1D2
ユーザーA$1$1$1
ユーザーB$1$1$2
ユーザーC0$1含まれない
合計金額$2$3$3
ユーザーあたりの合計金額2/2 = $13/3 = $13/2 = $1.5