アシストデータの分析
アシストダッシュボードのデータを使用して、各マーケティングチャネルが互いに与えている影響の全体像を把握することができます。
CTVのインプレッションはファネルの上位に位置し、ユーザーをダウンファネルチャネルに誘導してコンバージョンさせる傾向があるため、CTVからモバイルのキャンペーンを行っている場合、アシストの役割を理解することは特に重要です。
ウィジェットの内訳
アシストダッシュボードの全てのウィジェットを使用して重要なインサイトを取得し、それを活用して意思決定を行うことができます。以下では、より複雑な4つのウィジェットでレポートされたデータをどのようにアクションにつなげるべきかを紹介します。
アシストインストールあたりの平均アシストエンゲージメント数
インストールは、1回発生するごとに複数のアシストエンゲージメントからメリットを得られます。つまり、ネットワークはアシストするインストールごとに複数のエンゲージメントを提供できます。このウィジェットをフィルタリングすることで、アシストインストールごとの平均クリック数とインプレッション数の差異を確認することが可能です。
ポイント:
インストールあたりの平均クリック数が非常に多い 場合、クリックスパムの可能性があります。不正なデータを受け取っていないかどうかを確認してください。
インストールあたりのアシストクリック数が中程度~多い 場合、ユーザーがバウンスしてコンバージョンに至らない理由を調査した方がいい場合があります。例:クリエイティブのコピーとアプリストアのページ内容が一致しているか?ターゲティングが正しく行われているか?
インストールあたりの平均インプレッション数が多い 場合、そのインプレッション数についてネットワークに相談することを推奨します。広告費用が無駄になったり、ユーザー体験が損なわれたりするのを避けるため、ターゲティングの改善や、1日あたりのインプレッション数の上限を低くするなどの対応を依頼してください。
インストールあたりの平均インプレッション数が少ない 場合、これはキャンペーンのパフォーマンスが好調であることを示しています。つまり、最低限の広告を使用してユーザーをコンバージョンに至らせているということです。このチャネルの予算を増やすことを推奨します。
アシストインストールのレベル内訳
このウィジェットは、全てのキャンペーンレベルに至るまでのデータの完全な内訳を提供し、そこから正確なインサイトが得られます。このデータの粒度を活用して重要な意思決定を行い、クリエイティブの変更を評価することができます。
レポートされるデータの柔軟性を高めるために、このウィジェットをDatascapeレポートとして開くことが可能です。これにより、データをアシストエンゲージメントのタイプごとに分類し、必要に応じてフィルター設定を変更することができます。ウィジェットをレポートとして開くには、 (レポートとして開く)を選択します。
ポイント:
- ネットワークAがネットワークBをアシストしている 場合、データをドリルダウンすることで、最も効果的なキャンペーンとクリエイティブを具体的に確認することができます。
- 特定のクリエイティブがコンバージョンの促進に重要な役割を果たしている 場合(別のネットワークであっても)、その広告の予算を増やすことを推奨します。また、パフォーマンスの高い広告フォーマットやキャンペーンターゲティングを、他のキャンペーンやネットワークで再現することも可能です。
- クリエイティブが 自らを大きくアシストしている 場合、これは直帰率が高いことを示している可能性があるため、よりコンバージョンの高いクリエイティブに投資した方が良いかもしれません。
- ネットワークAがネットワークBをどれだけ効率よくアシストしているか を確認するには、クイックレポート(Quick Report)を開き、2つのネットワーク間の平均アシスト回数を見ます。これにより、アシストネットワークを拡大することで、他の特定のネットワークのパフォーマンスにどのような影響を与えるかをより詳しく確認することができます。
アシストネットワーク別 アシストエンゲージメントのトレンド
このウィジェットは、複数のネットワークから提供されるアシストエンゲージメント数の推移を確認するためのモニタリングツールとして使用できます。例えば、複数のアシストネットワークが互いにどのように機能するかを比較することが可能です。さらに、新しいネットワークを立ち上げた場合、その影響をより早い段階で計測することができます。これは、そのネットワークが自らアトリビューションを推進する前に、他のネットワークをアシストし始める可能性があるためです。
ポイント:
- ネットワークの アシストエンゲージメントが増加傾向 にある場合、どのネットワークをアシストしているかを確認してください。特に、アシストエンゲージメントの増加がアシストネットワークのインストール数の増加を促進しているかを確認してください。これに当てはまらない場合、特にネットワークが自らをアシストしている場合は、アシストネットワークの予算を減らすことをお勧めします。
- アシストエンゲージメントの数が少しずつ増加しているのか 、それとも急激に増えているのか、線グラフの推移を確認します。この推移を今まで実施したキャンペーンの日付と比較し、アシストインストールの数と重なる部分がないか確認してください、
- クイックレポート(Quick Report)を作成し、インストール数の全体的なトレンドと比較して、 アシストエンゲージメントのトレンドを1ヶ所で確認 します。これにより、アシストエンゲージメントがインストール数の増加に繋がっているかどうかを確認できます。増加を促進している場合は、アシストネットワークをスケールすることが賢明です。
アシストインストールのエンゲージメント指標
このウィジェットを使用すると、アプリインストール前にユーザーが広告とどのように関わっているかについてのインサイトを得ることができます。コンバージョンに至るユーザーの平均クリック数やインプレッション数を比較することで、複数のネットワークがキャンペーンに与える影響力を評価することが可能です。
ポイント:
- パフォーマンスの高いネットワークの アシストインプレッションの数は少なくなります 。つまり、このネットワークはより少ない費用で、コンバージョンに至るユーザーにより素早くリーチしているということです。
- 平均総アシストエンゲージメント数、平均アシストクリック数、平均アシストインプレッション数を1ヶ所で明確に確認できます。このデータを基に、バウンス率を下げる取り組みを行う、ターゲティングを改善させる、インプレッション数の上限をさらに制限する、予算を増加・削減するなどの判断をすることができます。
アシストダッシュボードで取得可能なデータ
API連携ネットワークのデータ
API連携ネットワーク(SANs)に対し、Adjustはリンクを使用せず、APIコールにてネットワークに情報を送信します。Adjustは、SDKが送信するアプリセッションごとにデータを送信しています。ネットワークがアクティビティを認識すると、ネットワーク側は、最新の広告エンゲージメントの詳細を共有して、アトリビューション(セルフアトリビューション)のクレイムレスポンスを返します。その後、Adjustは全てのネットワーク(SAN以外も含む)から取得したエンゲージメントデータを使用して、インストールを導いた最新のエンゲージメントソースにアトリビュートします。
SANによるアトリビューションフローは他のチャネルとは異なる仕組みになっているため、Adjustが表示できるアシストデータの可視性のレベルは、その領域によって異なります。
他のチャネルによるSANへのアシストを完全に可視化
アシストダッシュボードでは、SANが他のネットワークからどの程度アシストされているかを確認することができます。これにより、コンバージョンに至ったエンゲージメントがSANプラットフォームで発生する上で、他のネットワークがどのようなパフォーマンスを発揮しているかを把握することが可能です。
SANセルフアシストが可視化されない
Adjustは、SANがどの程度セルフアシストしているかをレポートすることはできません。AdjustはSANからアトリビューションのクレイムレスポンスを受けるだけであり、SANのプラットフォームで発生したそれ以前のエンゲージメントについての情報は受信しません。よって、アトリビューションをアシストした可能性のある他のエンゲージメントについて、Adjustがレポートすることはできません。
SANのアシストチャネルを部分的に可視化
AdjustはSANsからのアトリビューションのクレイムレスポンスを常に返すわけではありません。他のネットワークがより強力なエンゲージメントをレポートした場合、そのネットワークに対してアトリビューションを割り当てます。API連携ネットワークのアトリビューションのクレイムレスポンスが拒否された場合、Adjustはそれらをアシストデータとしてレポートします。
セルフアシストの役割
セルフアシストとは、ネットワークがアトリビュートされたインストールに対してアシストエンゲージメントを提供することです。例えば、アプリをインストールする前にironSourceの複数の広告に関わったユーザーは、インストールとアシストエンゲージメントの両方にアトリビュートされる可能性があります。このようなエンゲージメントをセルフアシストと言います。
セルフアシストが多く発生する理由
多くのアシストエンゲージメントがセルフアシストを行うのは普通のことです。オンラインでユーザーがどのようにターゲティングされているかを考えると、同じ広告が同じチャネルで何度もユーザーに表示されるのは珍しいことではありません。
セルフアシストは前向きな兆候でもあります。ユーザーがアプリをインストールする前に複数の広告を閲覧すると、次のメリットがあります:
- ブランド認知度が向上する
- アプリ機能についての理解が深まる
ただし、セルフアシストが特に多い場合は、次の問題が発生している可能性があります:
- 広告の過度な露出およびブランド疲れ
セルフアシストを認識し対応する方法
ネットワークがどの程度セルフアシストを行っているかを確認するには、 アシストチャネルによるアシストエンゲージメント と アシスト インストール エンゲージメント指標 のウィジェットを使用します。
特に「アシストインストールあたりのエンゲージメント数」の平均値を見ることで、ネットワークがブランド認知を促進しているのか、それともオーディエンスからスパム行為としてみなされていないかを判断することができます。
また、 アシストインストールのキャンペーンの内訳 を示すウィジェットによって、キャンペーン、アドグループ、クリエイティブが組み合わせて使用されているかどうかを確認できます。組み合わせて使用されていない場合、ユーザーに同じ広告が何度も表示されていることを意味します。
この分析を使用して、ネットワークの予算を減らすか増やすかを判断することができます。変更を加えるたびに、そのチャネルの全体的なパフォーマンスにどのような影響を与えるかをモニタリングしてください。例えば、パフォーマンスが上下することもあれば、セルフアシストのレベルのみが下がる可能性もあります。
アトリビューションタイプでのフィルタリング
Attribution type
フィルターは、アトリビュートされたエンゲージメントにのみに関連し、アシストエンゲージメントには関連しません。
- アトリビューションタイプに
click
のみを選択した場合、クリックをアシストしたエンゲージメント数のみが表示されます。 - アトリビューションタイプに
impression
のみを選択した場合、インプレッションをアシストしたエンゲージメント数のみが表示されます。
アトリビューションタイプフィルターをクリックに適用しても、アトリビュートされたエンゲージメントのほぼ全てがクリックであるため、数値に大きな影響を与えない場合があります。インプレッションにフィルターを適用した場合、表示されるデータ量は非常に制限されます。